会社設立すると税金が安い?

■会社設立した場合のメリットについては、取引先や金融機関に対する信用力が上がるのは、起業家のみなさまはおわかりかと思います。
 ここでは、ファイナンシャルプランナーとして税金面でのメリット・デメリットについて解説します。

法人と個人事業の税率を単純比較してみます

■個人事業での利益には、@所得税、A住民税、B事業税などがかかりますが、そのうち所得税と住民税は所得が上がるにしたがって税率も 高くなる「超過累進課税」となっています。所得が高くなればなるほど税金を払う割合が大きくなります。
 一方、法人にかかる税率は、利益が大きくなってもさほど高くなりません。

個人事 業の税率
課税所得 所得税 住民税 事業税
330 万円 〜  695万円 20%- 427,500円 10%  (課税所得
   -290万円)
   ×5%
695 万円 〜  900万円 23%- 636,000円
900 万円 〜1,800万円 33% -1,536,000円
1,800 万円超 40% -2,796,000円
 
法人の 税率
課税所得 法 人税 法 人
住民税
事 業税 特 別地方事業税 実効税率
400 万円以下 22%
18%
法人税
×17.3%
2.7% 事業税×81% 24.79%
400 万円〜800万円 4.0% 26.44%
800万円超 30% 5.3% 40.86%
          ※資本金が1億円以下の場合の例です。
 
法人の均等課税
資 本金 法人住民 税所得割
1,000 万円以下 7 万円
1,000 万円〜1億円 18 万円
               ※従業員数が50人以下の場合の例です。

 ●地方税は自治体によって税率が異なりますのでご了承下さい。
 ●実際の税務処理に関しては税務署又は税理士にご相談 下さい。

  

給与の方が税金が安いとは

■給与所得控除

 会社設立すると会社から給与をもらう形になりますが、課税所得の計算の時に、個人事業主にはなかった、給与所得控除を受けることがで きます。
 給与所得控除額×税率に相当する分、個人で支払う税金が少なくなります。

給与所 得控除額速算表
給 与収入 給与所得控除
〜180万円 40%(最低65万円)
180万円〜360万円 30%+  18万円
360万円〜660万円 20%+  54万円
660万円〜1,000万円 10%+120万円
1,000万円超   5%+170万円

 

給与所得控除の効果イ メージ
院長収入累進課税   会社設立 給与所得

 

■個人事業での専従者給与に比べるとご家族へ所得を分散することができます。社長個人の高い税率を回避することができるため家計全体としての節税メリットを得られます。

所得分散の効果イメージ
社長収入累進課税 会社設立後の所得分散イメージ
会社設立後の所得分散効果

 

■勇退時に、退職金を受け取るこ とができますので、リタイヤ後の生活設計が安定します。所得税では退職金は通常の給与と区分され、税制面で優遇されています。

◆退職金の税 制優遇
@ 給与所得と分離課税
A退職所得控除
  1〜20年 40万円×在任年数
  20年〜  70万円×在任年数
B1/2課税
退職金効果イメージ
医療法人の退職慰労金説税効果イメージ

 このように退職金で受け取ると、給与で受け取るより所 得税・住民税が軽減できます。会社に残った利益剰余金を退職金支払時に取り崩すこと は、妥当な範囲であれば、経費として認められます。

◆退職 金の目安
 最終報酬月額×役員在任年数×功績倍率(1〜3倍)

 

経費で落とすのも工夫次第?

■生命保険で含み資産

 生命保険料は個人では5万円が控除されるだけですが、法人では保険の種類によっては、全額または一部を損金にできます。掛け捨てとな らないタイプのものを活用すれば、キャッシュが足りない場合や赤字を避けたい場合または退職金の準備に充てるなど決算対策に効果的です。

■他にも色々ありますが、たとえば自宅を事務所や社宅扱いにして個人として支払う税金を少なくすると言ったことも考えられます。

 

会社設立すると相続税がかからないはウソ

■会 社設立した創業者に万が一のことがあった場合、創業者のご家族はその会社の株(自社株といいます)を相続することになります。この自社株は会社の資産や業 績によって価値が評価されますので、資産が大きい会社、含み資産がある会社、同業他社に比べて業績の良い会社については、時価評価が高額になり多額の相続税が課せられる場合があります

 上場企業ではないと、自社株を簡単に売却して現金にするのは難しいので納税資金を何らかの方法で確保しなければなりません。

 

デメリットもあります

■接待交際費の上限があります。

 個人事業では接待交際費は全額経費となりますが、法人では限度があります。

■交際 費の損金算入上限額
@資本金1億円以下 : 600 万円まで交際費×90%
A資本金1億円未満 : 全額損金不算入

 

■社会保険が強制加入になります。いちおう。。

 法人では社会保険が強制加入となります。言うまでもありませんが、加入するとコストアップになります。

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